県木連と(株)ウッドレックス並びに信州大学農学部と共同研究により、信州カラマツ材の表層WPC技術(カラマツ材の表層の部分にプラスチック液状浸透硬化させ材質を改良する技術)の開発を行った。
その結果木材の硬さ、湿気や水に対する強さ等の向上が認められた。
(協)長野県信州カラマツ工業会との共同研究により、カラマツなどの難燃化技術(木材が火に燃えにくくなるようにする技術)の開発を行った。
その結果、建築基準法で制限されている施設の内装材として使用が可能になった。
カラマツの小・中丸太は乾燥するとねじれが生じ、建築用材としてはほとんど使われなかったが、これから得られた角材を高温乾燥、挽き直しをすることにより心持ち柱材の実用化に成功した。
そしてこれらの角材を積層接着することによりあわせ貼り軸材料(ツインビーム、トリプルビーム)を製造し、それらの利用を検討している。
さらに、スギ、ヒノキ、アカマツにまで樹種を広げ、高温乾燥の適合性を検討し、成果が得られている。
長野県では平成15年度から木製ガードレールの開発に着手し、各企業と協力しながら材料試験やシミュレーションを行って開発を進め、平成16年度に国の研究機関において衝突試験を行い、3タイプのガードレールが国の安全基準をクリアすることができ、「信州型木製ガードレール」として認定され県内各地で使用を開始している。
県産無垢材による梁桁材は、梁高300mmを超える梁桁は大径材の丸太が少ないため無垢材での生産が厳しい現状であり、現状は特に米マツや米ツガの利用率が高い。
接着重ね梁は、中径材を組合わせることにより、自由に梁の高さを変え生産が可能であり、注文に応じた製品の出荷が可能となることから、県産材の需要拡大に向け信州木材認証製品センター等と協力しながら接着重ね梁の開発を行った。
また、接着重ね梁は、集成材と異なり新しい木質複合軸材料として扱われるためJAS製品として区分がなく、これを利用していくには建築基準法第37条の大臣認定が必要となることから、37条の大臣認定における評価試験を、大学や信州木材認証製品センター、北海道林産試験場等の協力の基試験を実施している。
1985年に日本道路公団 [ 現中日本高速道路(株)] が定めた遮音性能等を満たすカラマツ製遮音壁を開発し、1986年3月末には飯田IC南の中央自動車道沿いに200mに渡って試験施行を行いました。
その後27年ぶりの2012年度にカラマツ製遮音壁を中央自動車道の伊那ICから南に約600mの地点へ約48m施工しました。
これを踏まえ、平成25年度から県産販路開拓協議会とともに木製遮音壁、吸音壁の開発を進めている。
詳しいことについては、長野県林業総合センター木材部へお尋ねください。